「浄智寺」鎌倉五山四位 かつては円覚寺に匹敵するほどの時勢があったお寺!
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1402
☎0467-22-3943
拝観料:200円(大人)
休:無休
拝観時間:9時00分~16時30分
駐車場:あり(10台)
アクセス:JR横須賀線「北鎌倉駅」下車、徒歩で6分
マイカー:横浜横須賀道路「朝比奈IC」より20分
正式名:
山号:金峰山
宗派:臨済宗円覚寺派
本尊:三世仏(阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒如来)
開基:北条師時
創建年:1283年(弘安6年)
開山:大林正念
寺格:鎌倉五山四位
別称:
札所:鎌倉三十三観音霊場31番、鎌倉地蔵尊霊場第12番、鎌倉十三仏霊場第6番(弥勒菩薩)、東国花の寺百ヶ寺鎌倉9番、鎌倉江の島七福神(布袋尊)
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「浄智寺」は鎌倉五山四位の名刹で臨済宗の円覚寺派のお寺である。
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梅雨前の厚い日差しの中、「明月院」のあじさいを堪能し、その足で「浄智寺」に訪寺した。「北鎌倉駅」から円覚寺と反対の街道沿いを鎌倉方面へ10分程歩き「東慶寺」を過ぎたところを右に曲がるとある。
門構えはそれほど大きくはない。
一見、その門構えから「鎌倉五山」のお寺でよかったのかと確認したほどでもあった。そして観光客の姿は皆無でもあった。
今まで京都の寺々、そしてこの五山の内の「建長寺」・「円覚寺」とその三門に圧倒されて来ただけに、少し拍子抜けしてしまった。
「浄智寺」は鎌倉幕府第5代執権・北条時頼の三男である北条宗政の菩提を弔うために創建された。
開基は北条宗政の子・師時となっているが、幼少でもあり実際は宗政の妻と兄・北条時宗による創建である。かつての浄智寺は七堂伽藍・塔頭も11寺院あり、元亨3年(1323年)の北条貞時13年忌には浄智寺から参加した僧は224人に達した記録もあり、現在の円覚寺の規模があったと思われるとのこと。
しかし、関東大震災でその大部分が倒壊し、今日の伽藍は概ね昭和になってから復興されている。
小橋を渡ると、左池奥には鎌倉十井の一つ「甘露ノ井」と書かれた石柱と井戸がある。「鎌倉十井」とは海に近い鎌倉にあって、水はおいしくなかった。そのためか鎌倉でもおいしい水を十井・五名水として区別していた。この「甘露ノ井」は不老不死の効能があるという伝説が残っている。
そして目の前にある総門を超える。
総門より先は苔むした参道が続き、両脇に木々が茂る。その先にあるのが
山門の上に鐘楼がある珍しい「鐘楼門」
2007年に再建され扁額に「山居幽勝」とあり、中に慶安2年(1649年)の梵鐘が吊られている。花頭窓をあしらった中国風の意匠が特徴的。
拝観料の200円を納め、仏殿である「雲華殿」にやって来た。
中には浄智寺の本尊が祀ってある。
本尊は阿弥陀如来(左)・釈迦如来(中央)・弥勒如来(右)の三世仏で、それぞれ過去・現在・未来を象徴しているとのこと。衣を台座に長く垂らしている鎌倉仏特有の仏様。境内は「浄智寺境内」として国の史跡に指定されている。
裏手に回ると江ノ島鎌倉七福神のひとり「布袋尊」が迎えてくれる。布袋尊のお腹に触るとご利益があるといわれ、参拝者が触っていくのでテカテカしていた。
最後になるが、ここ浄智寺は鎌倉三十三観音霊場31番、鎌倉地蔵尊霊場第12番、鎌倉十三仏霊場第6番(弥勒菩薩)、東国花の寺百ヶ寺鎌倉9番、鎌倉江の島七福神(布袋尊)として多くの札所でもある。尚、寺の裏山からは源氏山に抜けられるとのこと。
今回、この「浄智寺」に鎌倉五山のうちの一つであると意気込んでやって来た。しかし、今まで回ってきた名寺と違いその建築物も比較的新しく歴史を感じる上では少し趣が異なっていたが、独特の大寺の雰囲気をもった名刹であった。