「いま、会いにゆきます」哀しい未来を知りながら愛しい存在に向かって発せられる最上の恋愛小説

市川拓司(著) 571円 小学館文庫 初版発行平成19年11月11日(2007年)

大好きだった妻の澪が亡くなって1年、身体にさまざまな不具合を抱えた巧は、町の小さな司法書士事務所に勤めながら、6歳になる一人息子の祐司とひっそりと暮らしていた。

再び巡ってきた雨の季節の週末、いつもどおりの散歩に出かけた町はずれの森で、この父と子二人に奇跡が訪れる。

哀しい未来を知りながら、それでも愛しい存在に向かって発せられる言葉。その深く強く優しい決意に、きっと心打たれるはずです。

市川宅司ワールドの原点をなす最上の恋愛小説!満を持しての文庫化

感想

再読となるのか読んだ記憶がないのだが、本末にH20年と日付が記してあるので一度は読んだのだろう。本の内容は全く忘れているので、新鮮な思いで読んだ。実に本の題名にピッタリで、読み終えた今、この「いま、会いにゆきます」の言葉に深い感慨がいつまでもしみじみと残る。

この本が映画化され、話題を呼んだのもうなづける。そして今回、リメイクとして韓国でも映画化されたとのこと。

人の一生は選択の連続、いくつもの岐路のどちらを選ぶのかを迫られる。どの路も正解はないのだろうが、それも生死を分ける選択、そして死が分かっている場合は尚更のこと。この本はそうした自問自答を投げかけてくれる。ある意味、感想など書けるほど軽いものではなかった。

表紙「いま、会いにゆきます」

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