野心家の時間割(人生の勝者となるために) 邱永漢(著) 野心あふれるビジネスマンに充実した人生とは何か!

PHP文庫 410円 昭和62年9月16日(初版発行)

人生にお、充実した時間の使い方とはどういうことなのか?
著者はいう。それは、時間を効率的に使うことは、いかに価値ある使い方をしたかであり、寝食を忘れるほど夢中になれたかどうかであると。
本書は、時間やお金の生きた使い方、仕事の取り組み方等をユニークな視点から説き、野心あふれるビジネスマンに、充実した人生とは何かを提示するものである。

目次
第一部 野心家の時間割
1、五分間で自分を売り込もう
2、三分間スピーチで存在を示せ
3、時間の短縮とはお金の節約のことだ
4、拘束された時間を有効に使う法
5、ベッドの中の時間は節約できない
6、”職住近接”で合理化を実現すべし
7、「寝食を忘れさせられる」ほどの仕事を探せ
8、時間を充実させるには好きな仕事を探せ
9、急がば回れ、裏街道がある
10、何でも体験してビッグになろう
11、時間に汚染されない鮮度の保ち方
12、ヒマと貯金は先取りしてつくれ
第二部 野心家の生活術
1、お金と時間の管理学
2、仕事と住居の経済学
3、男と女の政治学
4、結婚の経営学
5、転職の行動学


効率の良い人生の生き方は、自分の使った時間が自分の働きに応じた収入になって現れるようなシステムの中に自分をおくことであろう。
「収入」とういうコトバを「心の満足」というコトバに入れかえても、さしつかえない。働けば働いただけ自分の「収入」もしくは「心の満足」がふえるようになれば、働くことに楽しみが生ずる。集中的に売る時間をきめてしまい、その他の時間は自分の「心の満足」のために使用しようという気を起こすようになる。”

”若い時は使える時間をふんだんに持っている。時間と言うものは使っても使わなくても残しておくことができない。だからつい浪費してしまうことが多い。自分が計画した理想的な未来図に役立つことに使うのである。拘束された時間を集中的に使うことを身につけることができたら、やがて空いている時間が次第に浸食されて、ついに二十四時間あっても足りないようなスケジュールなっていくのである。”

”無駄な時間を節約するのは決心ひとつで、そんなに難しくはないが、節約した時間をどういう具合に配分するかが案外、難しい。”

”「時間のあまる生活をしている人」と、「時間の足りない生活をしている人」とは、同じ地球上に住んでいても、実は次元の違う世界に住んでいる人だといっても過言ではない。
「時間のあまる人」もいれば、「時間の足りない人」もいるかと、それは「寝食を忘れる」ような仕事を持っている人と持っていない人との違いなのである。
「時間」には客観的な捉え方のほかに主観的な捉え方がある。ありあまる時間を持った人の時間は大して値打ちがないが、不足して「寝食を忘れる」ほどになると途端に貴重品化するのである。”

”物理的な作業のことにばかり集中していて、主観的な、心理的な時間の使い方はほとんど無視されてしまっている。
人生は長ければよいということではなく、それだけの値打ちがあったかどうかという自分自身の評価の方が大切である。それと同じように、時間も効率的に使えば良いというものではなく、それだけの値打ちのあった使い方であったかどうかという評価が必要である。”

”経済現象を総花的にとらえ、それを数値で表現しようとする。割り切れない部分が出てくるとそれを無視して、数字だけでころがしていくから、しまいに実社会と全く関係ない高等数学の遊びに堕してしまう。”

H31年5月14日(2019年)
著者、邱永漢は私が証券会社に勤務していた頃に、よく活躍していた人で台湾出身で実業家・作家・経済評論家・経営コンサルタントという肩書を持つ。株の名人で「金儲けの神様」とも呼ばれ、お金のことを書いている著書も多い。
今回、再読したもののそれなりに新鮮な部分もあったが、歳を重ねた今は当時の若い時と違い、また、時代も変わり価値観が変化しためかそれほどの感動は得られずであった。しかし、流石時代を読み取る先見の明は鋭く、若い人にはオススメの一冊である事には違いない。
特に時間の考え方、その時間を有効に使いこなす概念、将来の仕事への模索をしている人にはよい指針を与えてくれるだろう。世の中には様々な時間に関するハウツー本があり、その短縮方法を教えてくれる。しかしまずその時間の基本概念がしっかりしていないと誤った方向へ向かう。そのためにも基礎編としての必読書である。

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