「終わった人」 内館牧子(著)定年って生前葬だな。生きがいを求める男の再生はあるのか

講談社文庫 900円 2018年3月15日(平成30年)初版発行

大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられ、そのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。
生き甲斐を求め、居場所を探して惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?ある人物との出合いが、彼の運命の歯車を回す。日本中で大反響を巻き起こした大ヒット「定年」小説!
感想
本編が映画化され、大ヒットしたとの本の帯につられ購入。
しかし、私にとっては特に心に響くものは何もなかった。今の時代、誰もが通過する定年。ある意味、まだ働けるのにという気持ちと裏腹にリストラに近い選択を余儀なくされる。現実はもっと悲惨な老後が待ち構えている。生活のために思い通りの仕事を選べず、それでも生きるために仕事に就く。悶々とした日々を送り、将来への不安の中、精一杯に生きる。主人公はあがき続けたのだろうか。どこか心の中に余裕さえあり、それが不倫の情景を描いている。

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