「失踪者」 下村敦史(著)氷点下に閉ざさなければならなかった、謎に包まれし親友の”秘密”とは! この結末、仰天からの”号泣”、傑作下村ミステリー感涙度No1!

講談社文庫 780円 2018年9月14日(平成30年)初版発行

空白の10年。氷点下に閉ざさなければならなかった、謎に包まれし親友の”秘密”とは! この結末、仰天からの”号泣”、傑作下村ミステリー感涙度No1!

十年前の転落事故でクレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口を迎えに、シウラ・グランデ峰を登る真山道弘。しかし、氷河の底の遺体を見て絶句する。氷漬けになっているはずの樋口は年老いていたのだ!親友に何があったのか。真山は樋口の過去を追う。秘められた友の思いが胸を打つ傑作山岳ミステリー。
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目次
失踪者

 

感想

ズバリ、帯にあるように傑作作品だった。感涙まではゆかなかったが、読み終えてからの胸に沁みる悲しさに涙とはまた違った感動を残してくれた作品だった。私にとって山と男の友情のダブル琴線はグイグイと没頭させられた。作風も現在・過去と実に旨く交錯し、全く飽きさせない。推理といってもある程度の読みができるものの、事実に近づくにつれその裏にある心の強い思いが、山岳小説だけに命を込めた確かさに思え感動に変わる。山岳小説といえば新田次郎であるが、それ以上と思わせるほどであった。そして私にとって、またいつか再度読み返したい所蔵書になった。

 

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