「蒼き山嶺」 馳星周(著)直木賞作家の新境地となる傑作山岳冒険小説!!
光文社文庫 858円 初版発行2020.12.09
なにがあった?なにをした?どうして追われている?
警察から追われ、刺客に命を狙われながら、白馬岳を越えて日本海を目指す。男の目的は?
直木賞作家の新境地となる傑作山岳冒険小説!!
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山岳ガイドの得丸志郎は、白馬岳で大学山岳部の同期・池谷博史と再会した。卒業後、警視庁の公安刑事となった池谷は、久しぶりの山でだいぶバテている。山頂まで一緒に登ることにしたが、ペースは上がらない。下山が遅れそうだと麓に電話を入れる得丸に、池谷が拳銃を突きつけた。友情、ライバル、極限の決死行。著者の新境地となる傑作山岳冒険小説。
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電子書籍にて購入
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久し振りの山岳小説であった。前回、山岳小説を読んだのは、確か「生還者」(下村敦史)ではなかったろうか。そういえば、近頃は体力・気力の衰えもあり山からすっかり遠のいてしまった。一時期は近場の山に休みともなればハイキング・トレッキングと楽しんだものだが、今はどちらかといえば海や古寺巡礼で歩き回っている。
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この小説を読んで、また山へ行ってみようかと奮いたたされた。丁度、世の中は新型コロナで自粛最中でもあり、蜜を避ける意味でも良いだろう。そのためには先ずは体力つくりから始めなくてはならない。体力が付けば自然と気力も充実するに違いない。
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さて、この本の感想であるが、解説の山岳冒険小説としては少々首をかしげてしまう。多少無理な話の展開もあり、残念至極であった。特に最終章の場面もこれから一気に高揚するかと思いきや、何もなくフェイドアウトしてしまった。作者の他の作品を読んでいないのでこれ以上の評価は避けるが、新境地としての山岳小説の今後の作品に期待していきたいものである。
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話はそれるが、初めて電子書籍なるもので読んでみた。我が家の書斎も書籍で埋め尽くされ、このままの形で維持することの最近、疑問を持つようになってきた。本を読んだら処分してしまう人も多いと聞くが、どうやら私はそれが苦手なようで、宝物として残すタイプのようだ。それでも意を決して、少しは捨ててきたものの、捨てるよりも新たに買う方が多く難儀してしまう。ならばということで今回初めて電子書籍で読んでみた。実に快適であった。今後はこの電子書籍に傾倒していくだろうと思う。