「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」 cis(著)独自の投資哲学で230億円稼いだ勝つ思考

KADOKAWA 1500円 初版発行2018年12月21日
株、下層通貨、先物、オプション、230億円稼いだ勝つ思考。上がり続けるものは上がり、下がり続けるものは下がる。押し目買いは避ける。重要なのは勝率ではなくトータルの損益。ナンピンは最悪。ヘッジは無駄。不動産投資は罰ゲーム。負ける人の特徴は冷静にモノを見れない人。配当狙いは儲からない。生ける伝説、独自の投資哲学を初開陳!
著書:cis個人投資家。2018年11月現在、資産230億円。1979年3月生まれ。大学4年生の2000年夏に口座を開き、300万円で株式投資を始める。01年法政大学卒業後、親族が経営する企業に就職。02年デイトレを開始。一時期資産を104万円まで減らすもスタイルを変えてからは勝ち続け、資産6000万円で04年6月に退職。以降専業トレーダーとして04年内に2億円、05年内に30億円弱の資産を築き、トッププレーヤーの仲間入りを果たす。その取引の影響力の大きさから「一人の力で日経平均を動かせる男」ともいわれる。
目次
第1章 本能に克てねば投資に勝てない
 上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる
  • 「真のランダム」はイメージより残酷である
  • 「押し目買い」をやってはいけない
  • 目先の「利確」に走れば大勝はなくなる
  • ナンピンは最悪のテクニック
  • 損切りした株がまた上がりだしたときに買えるか
  • トレードの世界に「良くて8且7敗」という法則はない
  • 損を認められない気持ちが敗北につながる
  • 人が恐怖を感じているときはチャンスになる
  • リスクヘッジは無駄
第2章 相場は仮説を生み出した人が勝つ
 相場では、1匹目のドジョウがものすごくオイシイ
 2匹目のドジョウもそれなりにいるけど、3匹目からは、いるかいないかわからない
  • 無職の大富豪を生んだジェイコム株誤発注事件
  • 秒単位の決断で6億円
  • とにかく仮説を考える
  • 知られていない攻略法が眠っているのが相場
  • 相場には2匹目のドジョウもそれなりにいる
  • 本を読んでいるだけでは相場に勝てない
  • メディアはかなりいい加減
第3章 勝つための一歩は場と自分を冷静にみること
 相場とは、リターンを求めてリスクを取る行為
 リスクは絶対にある。リスク恐怖症の人は相場には向かない
 勝つためには、行動を起こす早さも問われる
  • 株を始めたときは身勝手な仮説で負け続けた
  • 僕が負け続けていた理由
  • マーケットのことはマーケットでしか学べない
  • ニュースはNHKよりツイッターのほうが早い
  • インサイダー取引は気づけるようになる
  • 「仕手カブ」が疑われる値動きがあればチャンス!
  • 盲目の資金が動くときは儲かりどころ
  • 冷静さを見失わないうちに引退する
第4章 職業・トレード職人
 ゲームが得意というスキルが活かせる時代に
 生まれてよかった。
 トレードとは「お金の奪い合いゲーム」であり、今の僕はトレード職人にすぎない
  • 配当狙いは興味がない。儲からないから
  • 僕がオールラウンダーになった理由
  • 不動産投資は罰ゲーム
  • 投資でもっとも大切なのは効率
  • 「いい人」になれば簡単に破産できる
  • 人のお金を運用する意味がわからない
  • 年金マネーに群がる魑魅魍魎たち
  • 年金を運用したとしたら
  • 社長になる才能はとことんない
第5章 投資に必要なスキルはゲームで磨いた
 今の僕の原点にあるのがゲーム
 親がゲームとギャンブルを嫌う人だったら
 投資家cisは生まれていなかった
  • すべては駄菓子屋のくじ引きから始まった
  • 中3でパチンコを始めて、高校で元締めに
  • 「バレないようにやりなさいよ」
  • 麻雀のネット交流で「学び方」を知る
  • 2000万円で人生は変えられない
第6章 億万長者になれたのは2ちゃんねるのおかげ
 相場で1000万円以上溶かしたタイミングで
 2ちゃんねるの仲間と出会った。彼らとの出会いがなければ
 とっくに相場から退場していたかもしれない
  • 2チャンネルのオフ会で勝ち方を教わる
  • サラリーマンとの「兼業」は難しい
  • 総資産が6000万円になり会社を辞めた
  • 勝ち続けた日々は、抜け毛もすごかった
  • 「1億2000万持ってます、彼女募集中」
第7章 これから株を始めるなら
 ピンチとチャンスは紙一重。ライブドアショックでは
 ほとんど一瞬のうちに5億円失った。そんなこともある
  • 今の世の中だから個人トレーダーは巨額を稼げる
  • チャイナショックのようなピンチこそチャンス
  • リートでは1日で6億円の敗北
  • ライブドアショックで「おっすおら5億」
  • 早い人はいつでも早く、遅い人はいつでも遅い
  • 不況時の赤字会社への長期投資はあり
  • 仮想通貨取引で勝つには
  • 投資家はAIに勝てるか
  • 無限に努力をしていれば、たいていの人には勝てるようになる
付記 ギャンブルを制するものは株を制す
 相場は上がるか下がるしかない。だから常に押すか引くか。
 その手の押し引きは麻雀やポーカーにも通じる
  • 麻雀も相場も、面白いから続けてきた
  • 勝っている麻雀で年間1億円を使う理由
  • ブラックジャックで勝ってきたcis流カウンティング
  • もっとも魅力的なギャンブルは東証というカジノ

前々から読んでみたっかた本であり、今までにない題名に惹かれ購入する。「日経平均を動かせる男」とはどんな感性をもちどんな手法でどんなメンタルを持っているのだろうか。今までいろんな相場師の伝記を読んできたが、230億という莫大な金額を相場で築いてきた話はあまり聞いたことがなかった。
この本を読む少し前に丁度、プレジデント月刊誌に著者のcisの記事が載っていた。表題には「金利があがるまでが勝負」と・・。
全体的には著者の相場観・哲学のような主観が大勢をなし、個人的な感想では典型的なギャンブラーであろうと思われた。私個人としては前々からいっている通り、株式相場は投資・投機のどちらかと問われれば、投機と言い切れると思っている。しかし、著者の相場手法はギャンブラーであり、到底マネできるものではなかった。天性の才をもっているが故にこれだけの財産を築いたのだろう。
私が証券会社に勤めていたころ、社内旅行で東京から仙台に行った時を思い出す。当時、5~6時間位の電車旅であったと思うが、東京駅出発したあとしばらくして、社員数名でポーカーをやり始めた。
私はまだ新人だったので、横から見ていただけだが、一人の先輩が大敗を喫して多額のマイナスを喫して終わった。しかし翌日の帰りの電車で再度、昨日の仲間に「勝ち逃げは許さぬ」とポーカーを始めた。運もあったのだろが、はじめは昨日ほどでないにしろ負け方に微妙な変化があり、負け額が少額だった。こんな勝負を繰り返し、東京まで1~2時間位のところで、本人からレートの倍額提案を申し出があり、それ以降都度倍々のレートで大勝負に出て、結果昨日の大敗も挽回し、ついには独り勝ちの大勝で終えた。それを見ていて私にはできないと思ったのを覚えている。資金量にもよるが株の世界でもこんな顧客はいた。
また、超資金を持つ大口顧客には特定銘柄を買い続け、株価が下がったら買いを繰り返し平均コストを下げる。それも倍々にしていく。ナンピンという考え方がそもそも違う。当時は理論として、これでは大衆の顧客は、資金量の前では既にハンディを負って勝負していることとなる。平均買いコストも下がり、売買手数料も低い。また、超大口顧客だけに恩恵もある。
話をもとに戻して、ギャンブラーの著者の相場手法を真似することは、到底出来ないがメンタル面では大いに参考になった。
しかし、現在のAIでの高回転する板にあって直近の話題性に欠け、妙味としては残念であった。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です